2017年 05月 27日
T3 市田邸
開放的な空間と極をなす「蔵」という場で見る作品・・・この比較の妙は味わって欲しいですね。
市田邸の続き間全体を飾っているのはベネディクテ・ヴァンダレイトさんの作品。
Bénédicte Vanderreydt / ベネディクテ・ヴァンダレイト
ブリュッセルのIHECS、バルセロナの演劇学校Xavi Gratacos卒。
パリのGobelins Schoolにて写真の知識を深める。
BnF (パリ・フランス国立図書館)彫刻/写真部門ディレクターであるエロイーズ・コネサには
次のように評されている。
"ベネディクテ・ヴァンダレイトは、自身の作品シリーズを通して、
幼少期から大人になるまでに起こり得る連続した女性の役割、例えば子供、妻、情婦、
母のような、女性のアイデンティが構築される異なる段階を探索する作家です。
彼女のプロジェクトはいずれも、場の演出と並外れた美学と結びついており、
その極めて映画的なイメージは、作品を見た人の記憶に長くとどまります。
彼女は、例えばシリーズ「I Never Told Anyone」におけるカーニバルのように、
現代社会に存在する永続的なある種の慣習に対して、疑問を投げかけます。SNSや、
家族神話が彼女の作品制作において主なスターティングポイントになりますが、
作家は現実の転写に限定されることなく、常にそれを昇華させ、翻訳しようと試みています。
演劇的なトレーニングによって養われた彼女の作品は、例えばSNSや、
バンシュのカーニバルにおけるコスチュームのような、「仮面」が持つ奇術的な力を倍増させます。
そこにはキャラクターが持つ神秘性と同一平面上に、
ポール・デルヴォーの絵画を思わせる静かな繋がりがあるのです"
SHIMPEI TAKEDA / 武田 慎平
主な展示にICPトリエンナーレ(2013年・国際写真センター)
十和田奥入瀬芸術祭(2013年・十和田市現代美術館)
In The Wake(2015年・ボストン美術館)
About Time: Photography in a Moment of Change(2016年・サンフランシスコ近代美術館)
Emanations(2016年・Govett-Brewster Art Gallery)等。
国際写真センター、サンフランシスコ近代美術館、ボストン美術館、アマナフォトコレクション等にて作品収蔵。
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